スマホの普及やステイホームを強いられる昨今、眼の負担は増える一方です。
眼精疲労やドライアイといった疾患には、適切な眼鏡処方や点眼加療が必要なことは言うまでもありません。しかし、サプリメントやドリンク剤、マッサージ店の隆盛をみると、利用者の方々の眼科受診以外の選択肢も増えてきたのだと感じます。
鍼灸治療は腰痛や肩こりといった整形外科領域と考えられる症状に有効であることは多くに知られるところとなりましたが、眼精疲労をはじめとした眼科疾患こそ鍼灸治療が有効です。目の周囲には胃経、膀胱経、胆経といった複数の経絡が通っていると考えられており、血流を含めた「巡り」を促すことで眼疲労を改善します。
また、眼精疲労を重症化させないためには「疲れを感じたときにその都度リセットする」ことも重要です。目光針院では眼精疲労を中心とした眼症状にフォーカスを絞ることで比較的短時間で、より効果を発揮できるプログラムが考案されています。患者さんの中には「目に針をするのか」と心配される方もいらっしゃいますが、そのようなことは一切ありません。安全で気軽に立ち寄れる鍼灸院として、また眼科疾患に鍼灸治療が有効であることを実証してくださる施設として大いに期待しております。

日常的にPC作業をしている方の90%以上が眼の不調を自覚しており（H15年厚労省調査）、仕事のパフォーマンス（労働生産性）にも大きな影響を与えています。眼の不調は頭痛、首・肩のコリなどの労働生産性低下率トップ10に入る代表的な症状とも密接に関係しており、眼のコンディショニングを効果的に行うことが重要な課題になっています。ブルーライトカット眼鏡を使っている方もいるかと思いますが、ブルーライトカット眼鏡は眼精疲労を軽減する効果が全くないという研究結果が2021年に米国眼科学会から報告されました。眼精疲労対策を効果的に行うことは難しいかもしれませんが、眼の周りの筋肉などに直接アプローチできる伝統的な鍼灸治療が役立つ可能性は十分考えられると思います。眼の不調がある時にまず眼科で診てもらうことも大事ですが、日常的な眼のコンディショニングとして、伝統的な鍼灸治療が皆様の眼の健康維持・労働生産性の向上に役立つことを期待しています！